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Baobab -場面緘黙・自閉症スペクトラムの子育て-

小学校の支援のこと、スモールステップの日々のこと

【まとめ】場面緘黙のピアノの発表会

場面緘黙の小学校3年の息子

今年の夏にまたピアノの発表会があるというお知らせがありました。

 

息子が通うピアノ教室は

夏にホールでの割とフォーマルな発表会、

冬に地域のコミュニティセンターでカジュアル目なクリスマス発表会、

と、年に2回発表会があります。

 

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 場面緘黙:はじめての発表会

一番初めての発表会は1年生の6月でした。

習い始めて半年くらいだったので、先生と連弾で全く問題なく弾けました。

そしてそのころはまだ場面緘黙の症状がなかったか、

症状が学校で出ていたとしても私は知らなかった時期かと思います。

 

緘黙はまだわからなかったのですが、

小学校入学後に強い不安とパニックが出始めた時期で大変だったのですが、

今思い出すと、発表会自体は強い不安に襲われることもなくスムーズにいきました。

不安になるようなイメージすらわかなかったからかもしれません。

 

場面緘黙:発表会2回

2回目は、1年生のクリスマス会。

ハッキリと場面緘黙になってからの初めての発表会です。

息子は「発表会出たい!!」と大張り切りです。

正直、えー?大丈夫か??と思いましたが、

本人が出たいというのと、

クリスマス会はそんなに改まった感じでもないので

出ることにしました。

 

そして結果は・・・

息子は意気込みとは逆に、

緊張により動きもぎこちなく途中固まったり

座っても弾きだすことができず、

先生のサポートにより何とか弾きだすことができました。

登場してからここまで1~2分。

 

そして、蚊の鳴くようなとーっても小さな音で、とーーっても時間をかけてゆっくりと

なんとか弾き終わりました。

 

その間、私は生きた心地がしませんでした・・。

体中から冷や汗がでるような。

 

そしてその演奏中に

「どれだけ本人が出たいと言っても、今後は出させるべきじゃない」

と思いました。

 

しかし、演奏が終わって私のとこに戻ってきた息子は

とっても満足な様子で、うれしそうでした。

私も「頑張ったね~!」などたくさん褒めましたが、

正直息子がここまで満足でうれしそうに戻ってくるとは想像つきませんでした。

 

 

場面緘黙 ピアノの発表会3回目

 前回の演奏中に、固く誓った

「もう発表会には出ない」ことにしようということ。

 

2年生になりました。

夏の発表会に向けて春ごろお知らせがあるかなとおもいつつ

お知らせがある前に、なんと

息子はすでに3曲の中から好みのメロディの曲をすでに選んでしまっていたようでした。

 

先生に出場を辞退しようと思い事情を話したところ、

「大丈夫大丈夫、発表会は成長を見る場ですから」と。

 

内心、前回の弾けなさ具合で、先生にもご迷惑おかけしてしまったというのもあり

まさかの返答でした。

 

息子に聞くと「絶対に出たい」

ピアノの先生も「大丈夫!」

 

でも前回の緊張での弾けなさ具合と、今度は大きなホールでということもあり

かなり迷いました。

本心では無理だろう、固まってしまうかも・・

気持ちとは裏腹に実際うまく弾けなくて自信を無くしてしまったりするかもしれない。出ることはなんとか阻止した方がいいのではとかも考えました。

 

そして、学校の支援の先生や病院の先生にも相談に行きました。

 

最終的には、先生方の「本人の気持ちを一番に」という言葉もあり

息子にも再度気持ちを確認して出ることにしました。

当日は、お守り的に処方してもらった不安時に飲む頓服薬を服用しました。

 

そして結果は・・・

前回と同じような感じです。

 

でも前回と違うのは、

弾き終わって戻ってきたときに、

うまく弾けなかったという顔で全く元気がありませんでした。

 

何よりの違いは、その日、母親の私とも父親とも

会話で声が出なくなってしまいました。

場面緘黙の症状が悪化したのかもしれません。

 

私も夫も前回とおなじように「頑張ったね!」とほめて

息子の好きな美味しいものを食べに行きました。

 

 

場面緘黙:ピアノの発表会4回目

2年生のクリスマス。

前回もうまく弾けなかった、それを自分でも感じて、

家でも声が出ずらくなってしまった。

 

もう本当に出ない方がいいだろう。

 

曲を選んでしまう前に、先生にクリスマス辞退のお話を先回りしてしました。

先生は「そうですか」と、ちょっと残念そうでしたが

もう仕方ありません。

本人のために。

 

病院の定期診察で、医師にもその話をしました。

そしたら

「場面緘黙だからと言って、先回りしてやらせないということではなく

一般的に経験することは普通に経験させてあげて」

「その時になってやりたいか、やりたくないか、本人が決めたらいい」

というお話がありました。

 

その時私はハッとしました。

息子の気持ちを確認していなかったからです。

前回うまく弾けなかったことを自覚して、緘黙が悪化したから

もう出たくないだろうと決めつけてしまってました。

 

息子に発表会どうするかを聞くと、

なんとまた「出たい!」というのです。

 

また先生に事情を話して、

ちょうど申込の時期だったので出ることにしました。

先生は「みんな同じ感じだから大丈夫よ」と言ってくれ、

私は心配なので、選曲はできたら短めの曲をとお願いしました。

 

そして本番。

いつもと同じように、時間がかかり小さい音で、スムーズに弾けません。

 

演奏が終わって戻ってきたときは、

満足げでうれしそうでもなく、緘黙が悪化することもなく、

私はいつものように「よく頑張ったね!」とたくさん褒めました。

 

 

場面緘黙:ピアノの発表会5回目

3年生になった先日。

夏にある発表会のお知らせがありました。

 

息子に「発表会またあるって~どうする?」

と聞きました。

 

すると

「でない!」

とまさかの即答。

 

「あ、そうなの?わかった~じゃあ先生に伝えておくね!」と私。

 

これは、息子が成長して自分を客観視できるようになったということなのか?

理由を聞いてみましたが

「出たくないから~」とのことで

深くは聞いていません。

 

でもピアノを習っていることはとても満足していて

これからも続けていきたいということなので

息子なりのペースでやっていこうと思います。

 

 

場面緘黙:ピアノの発表会 ざっくりまとめ

1回目:1年生 先生との連弾で普通に弾く

2回目:出たい!⇒なんとか弾ききる⇒とても満足

3回目:出たい!⇒なんとか弾ききる⇒家でも声が出なくなる(緘黙悪化)

4回目:出たい!⇒なんとか弾ききる⇒満足でもなく悪化もしない

5回目:出ない!と即答

 

こんな感じでした。

今後また気持ちの変化があったらこちらにアップしていこうと思います。