場面緘黙の小学校における支援
まず初めに、「場面緘黙」というだけでも通級や特別支援の対象になります。
しかし場面緘黙だけで、その他の多動や他害などの大きな困り感がなければ、だいたいは普通学級で生活することが多いと思います。
普通学級にいる場面緘黙児は、おとなしくて手ががからないがゆえ、クラス担任からは後回しにされがちです。
・喋らないだけで困っている様子はない。
・喋らないけどテストの結果を見ると勉強は理解しているようだ。
・周りの子に迷惑をかけるようなことはない。
だからとりあえず大丈夫だろう。
1人で30数人の子どもたちをまとめる担任にとっては、場面緘黙児はむしろ手のかからない楽な子どもかもしれません。
家庭訪問や教育相談などがあれば、場面緘黙児の保護者はその相談をまずすると思います。
担任は、緘黙のことを詳しく話すことはしません。
それは、クラス担任が緘黙の専門家でないから具体策がわからないという理由だけでなく、それよりも担任は緘黙児のことを普段そんなに気にしていないからです。日々の業務では問題がある場所に気を取られ、解決しなければいけないことを優先的に行うからです。
クラス担任は緘黙児のことを、解決しなければならないこととは思っていません。
担任は受け持った一年間を、学習指導要領に沿ってそつなく保護者からのクレームもないよう全体を執り行うことを大事に考えています。
だからこそ、
保護者が、支援してもらえる環境を整えるということが大事なのです。
小学校において緘黙児の支援を得るにはポイントが2つあると思っています。
1つは、担任に具体的に対応をお願いをする。
「うちの子話さないので、気にかけてくださるようお願いします。」なんて抽象的な言い方ではいけません。
お友達が話さない事を指摘したら、「〇〇〇〇(具体的なセリフ)」と言ってほしい
話さない事で誤解されるような場面では、「〇〇〇〇(具体的なセリフ)」と言ってほしい
何か困った事がある時は、こういう合図をする
参観日の発表のときなどは、必ず誰かと一緒にしてほしい
など、担任の先生も日常で思い出して実行できやすいように具体的にお願いをします。
とくに低学年のうちは、「なっちゃんの声」という絵本を学活の時間の一部を利用してクラスで読んでもらうのも手ではないかと思います。
(これに関しては我が家も試そうとしました→
2つ目は、小学校内で緘黙を一番理解してくれる先生にお願いする。つまり、特別支援級の先生です。
ここで大事なのが、支援級の先生なら皆緘黙のことを理解してくれてるだろうと思ってはいけません。
支援級の担任は、特別支援教諭の免許がなくても、特別支援への熱意がなくても、なんなら特別支援の知識がなくてもなれるからです。
あくまでうちの場合ですが、うちはスクールカウンセラーを通して支援学級の先生との面談を申し込んで、直接話した結果この先生にお願いしたいという先生がいたので支援学級に通級させようと決めました。
今ではその通級先で、普通級の中ではなかなかできないスモールステップで対応してもらったり、息子の得意分野を皆が興味を持って評価してくれてるため、少しずつ自信もついてきてるようです。
小学校における緘黙児の具体的な支援については、別の機会にもっと詳しく書こうかと思いますが、
まずは支援は待ってるだけでは受けられないということを知ってほしいです。
また、保護者の方で緘黙=ただ話せないだけ
だし、勉強に遅れもないし、それなりに周りに混じってやってるようだし、支援学級なんてうちの子には必要ないと思われる方もいらっしゃるとおもいます。
支援学級に行くか、行かないかは
本人が困っているか困っていないか
で判断するべきです。
場面緘黙児は、つよい緊張状態が学校にいる間ずっと続いてます。
家に帰るとホッとして、それまでとは正反対のおしゃべりでうるさくてのびのびと楽しそうにするでしょう。
でも、本人が学校でとても緊張していて何か困っている事があるなら、
そこは、親の出番です。
親ができることは、子どもにとって良い環境を整えてあげることくらいなんです。