場面緘黙の子は支援級に入れるべきなのか
息子は場面緘黙症で、現在お試し通級していて、来年度から正式に通級を希望しています。
そんな私がいうのもなんですが、
場面緘黙症だからといって支援級入る必要はないと思います。
場面緘黙症の子の多くは知的に遅れはなく、
むしろ思慮深かったり物知りだったり、
ただ「話さない」という以外は普通学級でほかの子と変わらずに過ごすことができます。
話さなくても、お友達が首振りで返せるような質問をしてくれたり、
筆談やジェスチャーでちょっとした会話もしたりする子もいます。
または特定の仲良しさんがいたらそれはラッキーで、その子には話せたり、その子からつながってほかの子と話せるチャンスも出てくるかもしれません。
では、なぜわが子は支援学級への通級をしているか。
その辺をちょっと自分なりにも整理するつもりで書いてみたいと思います。
1.子どもが困っているか?(困り感)
話さなくても普通級で本人が困ることがなければ全く問題がないです。
うちの場合、話さないだけでなく不安が強くなると「緘動」といって体も動かなくなることもあります。
息子に「学校でなにか困ったこととかない?」聞くと「ない」と言うので、初めは息子が困ってないんだから大丈夫か、と思ってたのですが、息子は「困ったこと」の意味もよくわかってなかったのだと思います。(わからないこと自体以下の2につながるのですが困ったことではあります。)
担任の先生にきいたところ、「困ってるか困ってないかというと、結構困ってると思います」と当時言っていました。
2.気になる特性はないか?
場面緘黙とは不安障害であるため、場面緘黙による二次障害(たとえば不登校や引きこもりなど)になる可能性もあります。
でも私は場面緘黙自体が息子のもともと持つ特性の二次障害なんじゃないかと思っています。
息子は小さなころから慎重派で不安が強く、場所や人に慣れるまでに時間がかかります。思い通りにいかない時に癇癪を起したりします。
あえて親が気づかなければ、勉強も普通にできるし、いとことも話したり遊べるし、初めはできなくても慣れたらなんでもできるようになるし、全く普通の子です。
でも、やはりどこか違う、育てにくい、どうしてこんなことでこうなる??
そのちょっとした気になる積み重ねそのものが、じつは息子が「困っている」そのものなのです。
発達検査をしたところ、息子は発達に凹凸がみられ、言語コミュニケーションが低いようでした。これらの特性や気質が環境の変化と合わさって、息子はだんだんと話さなくなったようです。もし育てにくさとか気になるところが少しでもあるならそこは目を背けないでほしいと思います。
3.支援が必要か?
支援が必要かどうか、親目線で考えたときに、やはり必要だと思いました。
スポーツテストで固まって測定できなかった時、図工で絵をなかなか描きだせない時、
感想文に何を書いていいかわからない時、担任の先生も支援の先生からアドバイスをもらいながら一生懸命頑張ってはくれているようですが、一斉指導のなかでは時間を割いてゆっくりというのは難しいです。
現状、不安からくる行動面で遅れがあるため、息子にはとにかく安心してゆっくりじっくり取り組める環境を作ってあげたいと思いました。
親ができることは環境を整えてあげることぐらいだと思ってます。
以上3つの観点から通級を希望しましたが、
こう書いてみると、場面緘黙だから通級しているというよりは、
発達障害の特性のために通級しているといった感じです。
実際、場面緘黙の症状が出てたあとに、自閉症スペクトラムの特性があるとわかり、いろんな対策を考えられるようになりました。
今息子はお試し通級に通って、とてもリラックスして楽しんでいるようなので、学校の中に「安心できる場所」ができたということは大きなメリットです。
そして、出来事の感想文とか作文が書けないのですが、
通級クラスでは絵や写真を使って順序だててとか、特性に合わせた専門的な教え方もしてくれるそうで、これを民間療育でおこなってもらうとすると
(限度額はあるが)有料だったり、送迎が必要だったり、
教室との相性などもあるのでまたいろいろ大変です。
場所に敏感な息子は、とりあえず知った学校で知った先生方に見守られ
少しずつ自信をつけていってもらいたいと思ってます。
まとめ
・場面緘黙症だからといって直ちに支援級に入る必要はない
・場面緘黙の原因を知って、その原因に支援が必要なら支援級もひとつの方法
・本人が支援級に行くことをいやがらず、むしろ安心できる場所になるなら大きなメリット