Baobab

Baobab -場面緘黙・自閉症スペクトラムの子育て-

小学校の支援のこと、スモールステップの日々のこと

場面緘黙児を人と会わせることについて ー実践編ー

ちょうど去年のお花見の時に、場面緘黙の長男を連れて

友だちグループ子連れで集まりました。

 

その時、慣れないメンバーとの慣れない場所での遊びは

ただただ不安と緊張を与えるだけになるのだと実感し、

もう連れて行くのはやめようと思いました。

 

詳しくはこちらにあります。

 

で、一年後の今回。

またお花見の集まりがありました。

 

「もうお花見のようなイレギュラーな集まりには連れて行かない」

そう決めていたのですが、

今回は下の子の幼稚園のママ友グループ。

そのママ友たちには、詳しい話をしています。

「場面緘黙」という言葉は使ってませんが、

学校で全然話さない、友だちもいない、とう話していて、

学校が早い帰りの時などに、一緒に幼稚園に迎えに行って

そのグループで公園で遊んだりもしていたので

ママ友たちも、息子もお互いなんとなくこういう感じというのは分かっていたと思います。

 

そして、

場面緘黙において大切な、本人の意思を確認することにしました。

「来週こういう会があるんだけど、一緒にいかない?いやだったらばあばの家で遊んでいてもいいし、どっちでもいいんだけど、弟と一緒に行かない?」

 

・メンバー:弟の幼稚園の友達とそのママときょうだい

・場所:〇〇公園、ある遊具や持っていく遊び道具

・時間:お昼ご飯を公園で食べてその前と後で遊ぶ

 

とくにメンバーの説明は、

写真を見て、〇〇くん、見た事あるよね?こんな感じだよ

とか一人ひとり写真で説明しました。

 

息子は、イメージがついたようで不安な気持ちもなく

「行きたい!!」といいました。

 

そして、もしその場が辛かった時の場合に備えて、

自分の世界に入れるマンガとゲームを持参し、行くことに決めました!

 

そして当日。

 

f:id:madagus:20190404183620j:plain

 

 

ついてすぐは、マンガを読みました。

ママ友の1人がテントを持ってきていて、

気を使ってくれて、テントの中で読んでもいいよと言ってくれたのですが、

息子はテントでなく、みんなと同じ場所で読むことを選びました。

 

そして、だんだん子どもたちの遊びが盛り上がってきて、

子どもたちみんなでテントのなかでごちゃ混ぜになったりしたとき。

 

なんと息子はテントのそばにより、

そのままテントの中にIN !!

 

その後も、虫取りするグループや自転車グループとかに自由に好きな遊びをしていたのですが、

息子は私と下の子の遊びでなく虫取りグループに混じり、

言葉こそ発っしはしませんが息子なりに楽しく遊んでいたようです。

 

その公園はじつは初めていく公園でした。

 

やはり、

場面緘黙児にとってのキーワードは「人」なんだ

と実感した一日でした。

 

 

私(母親)自身もうまく話せない

場面緘黙自閉症スペクトラムの息子を育てていて、

自分とは違う点もあるけど

似ている点もあるなと、感じていました。

 

私は、人前で話せない場面緘黙という症状はありませんが、

うまく話せないということは多々あります。

 

心の中で考えてることはたくさんあるのに

それを言語化することが難しいのです。

人に何かを説明することが難しいのです。

それがとても簡単な内容でも・・

 

私は以前システムエンジニアをしていた経験から

 ここ数年程、在宅の仕事をしていました。

その関係で週にわずかな時間ですが、

こどもたちにプログラミングを教える仕事もしています。

 

とてもやりがいがあって楽しいのですが

うまく言葉で伝えられないはがゆさがありました。

 

自分の頭の中で、映像で浮かんでいることをそのまま伝えたい・・

本当なら

「これをこうして、こうなってだからこうなる。」(頭の中の映像)みたいな説明が

自分からは一番スムーズにでてくるのですが

講師がそんな説明ではいけません。

 

だから私は人よりも多く努力しなければ普通になれませんでした。

 

また、子どもたちの縦横無尽に行きかう会話内容は

時に頭の中をフリーズさせていました。

 

 

なので、自分は前に出て人に教えたりするより

裏方で何かを作る方が向いているのだと思っています。

 

もちろん、その自己分析は新卒の就職活動のときから自分の中ではできていて、

エンジニアという職を選んでいたわけですが、

出産し、子育てをしていく中で

自分の性格や、脳の使い方も変わってきてる感じはしていました。

 

だからこそせっかく得た機会、

チャレンジをしてここまでやってきたという感じです。

 

スクールに関しては努力してきた部分もありますが、

経験とともに自然に努力しなくてもできるようになったこともあります。

以前はとても苦痛だった女性グループ内の会話も、

今ではわいわいとママ友ランチを心から楽しんでいます。

 

根本は変わらないけど、枝葉は変わるのです。

 

実は今後の仕事の方向性を決めるにあたって

その根本と枝葉の間でとても迷っていました。

 

根本(内向的で言語化が難しい、「正解」のある仕事の方が安心する)

枝葉(経験値とともに外向性、社交性、積極性が身についてきて新しいものにもチャレンジしていきたい)

 

どちらも、それぞれにメリットデメリットはありつつ

条件がほぼ同じ仕事のお誘いを受けたのです。

 

1つは自分の根本に合う仕事。つまり大きな努力をしなくても自然体でコツコツと無理なくできそうです。

 

もう1つは努力して伸ばしてきた枝葉をさらに広げていく仕事。厳しい道になるかもしれませんが、挑戦してやりがいを感じられそうです。

 

年齢的にも現実が見えてきたお年頃、

でもまだまだいけるんじゃないか??とチャレンジしたい反面、

 

チャレンジしていくにはこれまで以上の努力は必要。

無理なく楽にできることをやる方がいいでしょ。

 

 

どんどん考えがループしていきます。

 

でも、本当の最終決断は

やはり自分の「根本」が下すことになりました。

 

だってそれが本来の自分なんですから。